【ドル/円】2011年度 窓埋め研究結果
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ドル/円 窓埋め研究
この年の特徴
超円高の1年です。80円台前半から76円台と値幅はせまく、また6ヶ月近くも70円台に滞在し続けるという、輸出企業にとっての悪夢のような年となっています。
【ドル/円】2011年度窓空け・窓埋め結果
窓合計 | 計測回数 | 平均窓空けpips数 |
---|---|---|
489pips | 53回 | 約9pips |
窓埋め日数 | 回数 | 割合 |
---|---|---|
0日 | 46回 | 86.79% |
窓なし | 2回 | 3.77% |
1日 | 1回 | 1.89% |
18日 | 1回 | 1.89% |
22日 | 1回 | 1.89% |
44日 | 1回 | 1.89% |
84日 | 1回 | 1.89% |
解説
2011年度のドル円は、合計で489pipsとかなり狭い窓空けとなっています。
計53回の計測で、10pips以上の窓が空いた回数は21回。1回あたりの平均窓空けpips数は約9pipsとなっています。
窓の合計は2007年からの5年間で最も小さく、また埋まるまでの日数も今までに無くばらけているため、かなり難しい年だったと言えそうです。
10pips以上の窓は21回とそれ程少なくもありません。しかし、その中で最も大きかった窓が2011年08月08日オープンの窓で50pips、その次が2011年03年21日と2011年08年22日オープンの窓で27pipsと、全体的に窓がかなり狭かったことがわかります。その上、50pipsの窓は埋まるまでに84日も要しており、「全体的に窓が狭い」「大きな窓は中々埋まらない」と窓埋めトレーダーには散々な結果となっています。
次に、決済のタイミングを調整するとどうなるかを見てみましょう。
(窓が埋まらなくともその日の終値までに埋まらなかった場合、その日の終値で決済)
決済タイミング別損益
決済日数 | 勝率 | 損益 |
---|---|---|
0日(オープン日) | 90.2%(46勝5敗) | +266pips |
1日 | 92.16%(47勝4敗) | +252pips |
2日 | 92.16%(47勝4敗) | +161pips |
3日 | 92.16%(47勝4敗) | +207pips |
4日 | 92.16%(47勝4敗) | +125pips |
5日(週末クローズ日) | 92.16%(47勝4敗) | +109pips |
窓の合計自体が狭いので仕方が無いとはいえ、どんなタイミングで決済しても結果はあまり良くありません。負けていないのが救いですが、実際にはこれにスプレッド分のマイナスが加わるため、本当に微々たる黒字にしかなっていないと思います。また、その中でも多少成績の良い結果となる決済タイミングが、オープン日、または翌日と前年までの結果を考えるとあまり取りたくない決済タイミングになっています。過去三年間とは明らかに値動きのパターンが変わっており、それにどこで気づけるかが結果に大きな影響を与えたかもしれません。
次に、窓埋めが完全には行われなくとも、ある程度まで埋まった段階で決済を行った場合の結果を見てみましょう。
※埋まらなかった場合の決済タイミングは一律5日(週末クローズ日)
利確割合別損益
利確割合 | 勝率 | 損益 |
---|---|---|
100% | 92.16%(47勝4敗) | +109pips |
90% | 94.12%(48勝3敗) | +232pips |
80% | 94.12%(48勝3敗) | +184pips |
70% | 96.08%(49勝2敗) | +163pips |
60% | 98.04%(50勝1敗) | +185pips |
50% | 98.04%(50勝1敗) | +122pips |
過去5年間でほとんど意味を成さなかった「早めの利確」がある程度の効果を発揮しています。100%完全に埋めたタイミングで利確をした場合の利益が+109pipsになるのに対して、90%で利確を行った場合の利益は+232pipsと倍以上の利益を生み出しています。前年までは「埋めるときは埋める、埋めないときは埋めない」という値動きだったのに対して、2011年は「ある程度までなら大体埋める」という値動きになっていた事がわかります。ただ、そもそもの値幅がここまで狭い時に「早めの利確」を行い続けて小さな利益を積み上げるのはかなり忍耐のいる作業になると思います。
まとめ
2011年度のドル/円は、窓空けが全体的に小さく、また埋まるまでの日数が大きくなる機会が多く、窓埋めトレードには非常に不向きな年だったと言えるでしょう。
値動きが全体的に小さかったため、大きく負ける機会も少なかったとは思いますが、スプレッドで赤字になりかねないような小さな窓の連発は、窓埋めトレーダーにはかなりのストレスだったのではないかと思います。
「昨年までの値動きと、今年の値動きは何かが違う」と、早い段階で気づいた方であればそれなりの対応は出来たかもしれませんが、窓埋めで対処出来ることが一体どれだけあるのか…。それも今後研究していきたいと思っています。
2011年度ドル/円の最適トレードパターン
窓埋め80~90%達成時に決済。埋まらなかった場合は、オープン日、または翌日に損切り。
最後に
このコーナーでは、年度・通貨別に、1年間通してどんな窓空け・窓埋めが行われたのかを解析しています。クセを掴む事で、「最も効率の良い窓埋め投資の手法を見つけられるのではないか」と考えていますので、何か思いついたことがあれば、コメントやtwitterなどで共有して頂けるとうれしいです。また、「こんな条件でやったらどうなるの?」といった疑問などありましたら、是非ご連絡下さい。
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